芝川ビル「建物語」

「船場のおひなまつり」

「船場のおひなまつり」は、船場ゆかりの旧家が所蔵する雛飾りを船場各所に飾りつけ、公開するイベントです。毎年3月3日のひなまつりの時期に開催してきましたが、2024年に10回目を迎えるにあたり、現在の形での開催を一旦締め括ることとなりました(2024年度以降の開催や内容については現時点では未定です。)。

今回は、過去の開催風景なども交えながら、「船場のおひなまつり」がどのようなイベントなのかをご紹介したいと思います。

●「船場のおひなまつり」とは
船場は、江戸時代より大阪の中心として栄え、豊かな文化を育んできました。戦争と戦後の経済成長はまちの姿を大きく変えましたが、今なお、上質な文化の数々がまちの其処此処に息づいています。
「船場のおひなまつり」は、船場ゆかりの旧家に伝わる散逸しつつある雛飾りを発掘、公開することで、船場の歴史や文化の厚みに思いを馳せていただくための取り組みです。

●開催の経緯
船場の豪商・芝川家の芝川弥生子、菫姉妹の雛飾りが見つかったことを機に、芝川家が創業した百又株式会社(千島土地グループ)が2014年に「芝川家のおひなさまと美しい船場のいとはん」を開催。芝川ビル4階「芝川ビル モダンテラス」にて姉妹の雛飾りを展示・お披露目したほか、戦前に撮影された着物姿の船場ゆかりのいとはん(お嬢さん)の写真展も行われました。


芝川菫のおひなさま(撮影:増田好郎)


美しい佇まいのいとはん達

イベントは、ステレオタイプに捉われない大阪の一側面を知ることができると好評で、翌年からは、船場博覧会実行委員会主催によるまちのイベント「春の船場博覧会 船場のおひなまつり」として開催することになります。

回を重ねる中で、戦災や阪神淡路大震災を乗り越えて大切に保管されてきたおひなさまが少しずつ見つかり、これまでに10家の雛飾りがお披露目されました。2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつも、一部をガラス越しの展示に切り替えるなどして開催を継続し、「船場のおひなまつり」は船場に春を告げる恒例イベントとして愛されてきました。


芝川家


新井家(撮影:増田好郎)


別所家(撮影:増田好郎)


鷹岡家


三原家


豊田家(撮影:西岡潔)

「船場のおひなまつり」では、雛飾りの展示に加え、お茶会や能楽の演奏会など、春のひなまつりに相応しい様々な関連企画も実施されています。


堺筋街角コンサート


山本能楽堂による五人囃子の生演奏


生駒ビルヂングでのアロマ講座


重要文化財・旧小西家住宅での煎茶茶会


蛤への絵付けを楽しむワークショップ・貝合わせを作ろう


旧宗田家住居【CuteGlass Shop and Gallery】での抹茶茶会

また、期間中は船場の老舗・名店による、この季節ならではのおもてなしメニューもお楽しみいただけます。


2023年の参加店舗
花外楼 北浜本店
菊寿堂義信
神宗 淀屋橋本店
吉兆 高麗橋本店
TIKAL by BROADHURST’S
五感 北浜本館
本家柴藤
美々卯 御堂筋店
吉野寿司 本店

2024年は、2月26日(月)~3月3日(日)の7日間開催いたします。
会期中にはこれまで展示された歴史ある「船場のおひなさま」を収録した記念写真集も販売予定です。

皆様も「船場のおひなまつり」でひと味違う大阪の魅力に触れてみませんか?

※記事中の写真の無断転載は固くお断りいたします。



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