芝川ビル「建物語」

芝川ビルの改修工事 1階床工事編

芝川ビル1階の104号室は、地下室に次ぐ広い部屋です。
竣工当時は自家用事務室として使用されていました。
(▼資料:P20_004)
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こちらの部屋も、部屋の中央を間仕切り壁で分割して使用されていましたが、2006年秋、長年入居されていたテナントさんが退去されたことから、部屋の中央の仕切りを取り除きました。すると、往時の噴水の一部(写真右手のタイル張りの台)が残っていることが判明。
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中央の生物(カエル?カメレオン?)の口に指を入れると、蛇口が残っているのがわかります。
さて、この部屋でも今年1月、カーペットを取り除き、床面の調査を行ないました。
その結果、カーペットが張られたPタイルの下の、厚さ10mmほどのモルタルの層の更に下に、竣工当時のものと思われるテラゾーの床面が残っていることが判明しました。
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写真はPタイル(手前)を剥がしているところ。
奥に見えているのが、Pタイル下のモルタル層表面です。
次に、厚さ10 mmのモルタル層を斫(はつ)っていきます。
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最初、ある程度の深さまでは平バール及びケレン棒を用いて削り、モルタル厚が約2~5mmになったあたりから、ポリッシャーという機械(写真左)を使います。
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ポリッシャーは、砥石のついた円形の板が回転することで、数ミリの薄い層も研磨することができるという優れもので、今回の一連の芝川ビル改修工事で大活躍しました。
削り出しによって生じるモルタルの粉は、乾湿両用の掃除機で吸い上げていきます。
粉塵の舞い上がりを防ぐため、また、機械自身が持つ熱を冷ますため、作業は水を撒きながら行われます。
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仕上がりはこちら。
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もとのカーペットに比べ、すっきりとした感じになりました。
芝川ビルの仕様書によると、この部屋の床はリグノイド仕上げとなっているので、当初はこの上に、リグノイドで仕上げがされていたのかも知れませんね。
■芝川ビル1階104号室
施工・管理、工事風景写真提供:有限会社 和建築



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