芝川ビル「建物語」

金庫室、ご開帳~!

芝川家の事業を行う本店事務所として建てられた芝川ビルには、
地下に立派な金庫室があります。
ひっそりと秘められていた?この金庫室を、今回は皆様に大公開いたしましょう。

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まずは入口から。
この立派な鉄扉!!16cm以上の厚さがあります。
「金庫室」の威厳に溢れていますね。

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扉内側には「東京 大谷製」の銘板が。
この鉄扉は明治26(1893)年に創業した金庫・鉄扉の製造販売の老舗・金庫商 大谷榮之介店(現・株式会社大谷金庫本店)から購入・設置されたものなのです。

当時の史料には次のように記されています。 
「金庫室入口扉  
全テ機械仕上 片開製 扉厚六吋(インチ)トシ 絶対防熱保■ス  
締リハ百萬変換コンビネーション及ビ専売特許錠ヲ装着ス」
※( )内筆者注、■部は判読不能文字

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鉄扉の内側には、ローラーつきの格子戸が設置されています。
何やら「檻」を思わせる光景であるため、弊社の社員が悪いことをしたら、おしおきでここに閉じ込められるとか、られないとか・・・。
この引戸も大谷金庫製です。

「金庫扉格子戸  
骨子シャーピングマシン仕上トシ構造右片引ボート格子トス  
締リ完全ナル錠前附塗仕上共」

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金庫室の中には、これまた立派な金庫が二つ鎮座しています。
金庫室の中に金庫・・・まるで「マトリョーシカ金庫」!
しかも金庫は二重扉。なんて用心深いのでしょうか。

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薄暗い金庫室奥には、いくつかの棚が設置されていますが、これらの棚もどうやら当初からここにあったもののようです。

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「正面書棚  
書棚ハ全部自由棚トシ表面日米板硝子1/8グラス入引違戸附ニテ塗エナメル仕上」

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「東側引出棚
 引出棚ハ各個ニ錠前附トシ抜差自由ニシテ引出弐種ニ分類スル■塗同上(正面書棚に同じ)」

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さて、反対の壁面に目を転じて気になったのがこちら。
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壁面に何やら四角いものが見えます。

金庫室外側に回ってみると・・・
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この通り。これも扉だったのですね!

史料には、「マンホール扉」の表記が。
マンホールとは、manhole=人孔、つまり人が出入りする穴のこと。
しかし、床から扉下部までの高さ約140cm、サイズは60cm×60cm。
出入りにはあまりに不便では・・・??と思ってはっとしました。

だってここは金庫室!
容易に出入りができる方が大問題なのです。


■関連
「マンホール扉」の正体

■参考
千島土地史料F01-020-070「金庫扉鉄扉工事注文並請書」、大正15年
千島土地史料F01-020-080「金庫扉鉄扉見積書」、大正15年
千島土地史料F01-020-102「金庫室内鋼鉄製書棚見積書並工事請書」、昭和2年
千島土地史料F01-020-103「金庫扉内部格子戸見積書並工事請書」、昭和2年






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