芝川ビル「建物語」

どんな会話の通り道?

芝川ビル共用部の壁面には、不思議な穴があります。

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1階には4つ。

地下、2~4階にはそれぞれ1つずつ。
しかも1階、4階以外には「おしゃぶり」みたいな蓋つきです。

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地下に設置されたもの

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2階に設置されたもの。蓋をとるとこんな感じ。

各階の穴は、ほぼ同一垂直線上にありますが、
その正体は・・・


ズバリ「伝声管」なのです。


「伝声管」とは、電気やガスといった一切のエネルギーを使うことなく長い管を通して音声の空気振動を伝えることで、離れた場所でも直接会話ができるという優れもの。特に船や飛行機などでよく使われている(使われていた?)ようです。

芝川ビルの「伝声管」の機能は今も健在で、「伝声管」を通して各階でバッチリ会話をすることができます。

ただこの「伝声管」、その設置については実は謎だらけ。設置目的が全くわからないのです。

エレベーターの連絡用か、それとも側に消火栓が設置されている*)ことから火災時の緊急連絡用かなどとあれこれ想像はしてみるものの、はっきりした答えはまだ出ていません。

エレベーターの連絡用にしてはエレベーターとの距離が離れすぎているようですし、緊急連絡用にしては人が常に側にいるとは限らない廊下に設置されていて、いきなり伝声管を使って話しかけて、果たして声が届いたのかどうかという疑問が残ります。

伝声管の傍らに合図用の笛を設置し、突然話しかける前に笛を吹き、その音を合図に伝声管からの声に耳を傾ける場合があるというお話を聞いて、もしやこのおしゃぶりのような蓋が?!と想像するも・・・

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当のおしゃぶりは随分と古びたこの様子。さすがに実際に試してみる勇気が出ませんでした。
確かに、切り込みが笛のように見えなくもないのですが・・・。

1階には4つ、地下・2~4階にはそれぞれ1つずつという配置から、1階ではみんなと話せるけれど、他の階では1階としか話せない・・・というのも、「伝声管」設置の謎を深めます。

うーん、この“管”を通って行き来したのは、一体どのような会話だったのでしょうか・・・。


*)現在、設置されている消火栓はもちろん当時のものではありません。また当時、同じ場所に消火栓が設置されていた可能性はありますが、正確なところははっきりとはわかっていません。


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