芝川ビル「建物語」

芝川ビルの改修工事 屋上編Ⅰ(増築部分解体、撤去)

この度の一連の改修工事において、最大の工事となったのが建物4階です。
工事の様子を見る前に、まずは竣工当時の4階にタイムスリップしてみましょう。

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こちらが屋上テラス。(資料:P21_015)
芝川ビルの竣工は昭和2(1927)年ですが、周囲にはまだ高い建物が殆どありません。

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ポルティコ(柱廊)より屋上テラスを望む。(資料:P21_014)
芝川ビル完成の記念撮影でしょうか?写真のアングルも素敵です。

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(資料:P20_010)
4階の部屋(現401号室)は、当時の図面では「集会室」となっています。
卓球台があって、娯楽室のようです。
籐のテーブル&チェアも雰囲気があっていいですね。

さて、戦後、この4階部分は大きく変わります。
建物の経済効率を最優先する中で、屋上の"贅沢な"空間も賃貸に供すべく、部屋が増築されたのです。

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赤で囲った部屋がポルティコ、青で囲った部屋が屋上テラスにそれぞれ増築されました。

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外側から増築部分を見るとこの通り。屋上の際まで、いっぱいに建てられています。

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正面からもしっかり増築部分が見えています。(写真提供:田浦紀子氏)

今回の工事は、「この増築部分は芝川ビルの雰囲気には似合わない」という多くの人の思いを受けて始まりました。

まずは増築分の解体&撤去作業です。

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こちらが解体工事中の様子です。
一見、プレファブで簡易に増築したように見えたのですが、実は、かなりしっかり作ってあったことがわかります。

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解体が進むにつれ、壁の後ろに隠れていた建物本来の姿が見えて来ます。

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しかしながら、外壁の一部は漆喰で覆われ、かつてはタイル張りだった屋上テラスの床部分にもコンクリートが打設されていました。

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こちらはポルティコだった部分。
かつてアーチ状だったところは、四角く切り取られて無残な姿に。

この後、先に挙げた竣工時の2枚の写真を頼りに、建物を魅力的だった往年の姿に近づける挑戦が始まります。

「芝川ビルの改修工事 屋上編Ⅱ(屋上テラスの再生)」に続く


■芝川ビル4階増築部分解体
施工・管理、工事風景写真提供:有限会社 和建築


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